うつ病になったけれど思い当たるきっかけがないという人
5月 15, 2011
うつ病になったけれど、思い当たるきっかけがないという人はたくさんいます。
うつ病になるすべての患者さんに、はっきりした誘因があるとは限りません。また、必ずしも悪いことがきっかけになるとは限りません。
昇進や出産など、喜ばしいことが原因となって発症することもあります。環境の変化に弱い人にとっては、たとえ喜ばしいことでも、環境の変化がストレスになってしまうのです。
そのため、患者さんが自分のうつ病のきっかけに気づいていないこともあります。
うつ病患者さんのしがみつき行為にはさまざまなパターンがありますが、リハビリ期に多く見られるのは、仕事へのしがみつきです。
うつのリハビリ期の人は、「早く復帰して、仕事をしなければ」と焦っています。仕事をすることで、自信を回復できる。仕事をすることで迷惑をかけているという負担感を減らすことができる。仕事に復帰することで「このまま辞めさせられるのでは……」という将来への不安を減らすことができるのです。
ところが、治ってきているとはいえ、この時期の当事者は、まだ疲労を感じやすいモードにいるのです。相当回復してきても8倍(二の三乗)モードにいると思ってください。
日常の生活をするだけで、精一杯です。早い段階で職場に復帰してしまうと、また疲労をためてしまうことになり、うつ状態に戻ってしまうのです。
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